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講談社漫画賞受賞コメント
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===選評(選考委員五十音順)=== ====軽部潤子==== '''揉めました''' 本を全巻読み終えたとき、(これは難しい選考会になるのでは……)と思いました。<br /> 案の定、選考会が始まり、なかなか決定せず、後で考えましょうという部門も<br /> ありました。 特に少年部門は冊数も多く(長く愛され連載している)作品にもパワーがあり、<br /> どれを選べばいいのか混乱しました。<br /> 『[[さよなら絶望先生]]』と『DEAR BOYS ACTⅡ』のダブル受賞で溜飲が下がりました。<br /> 実はできればこの2作品のどちらかが受賞してほしいと心の底で思っていたからです。<br /> 少女部門も『IS(アイエス)』と『君に届け』でスパッと決まらず、<br /> 取材力を感じる『IS』に軍配があがりました。個人的には『君に届け』は<br /> 大変楽しみな作品で今後の展開に期待を持っている作品です。<br /> 『おおきく振りかぶって』は昨年のノミネートから気になっていた作品だったので<br /> 嬉しかったです。<br /> 受賞者の皆様、本当におめでとうございます。<br /> ====しげの秀一==== '''選考を終えて''' 児童部門では『デルトラクエスト』と『天使のフライパン』の2作品を推しました。<br /> 結果的には『天使』の画力と安定した仕事ぶりが一歩リードという事です。<br /> 少年部門は最後まで難航でしたが『[[さよなら絶望先生]]』と『DEAR BOYS ACTⅡ』の<br /> ダブル受賞という事に落ち着きました。個人的には『史上最強の弟子ケンイチ』が<br /> 好きでしたが……。<br /> 少女部門では『BOYS エステ』を強く推したのですが他の選考委員の方々の<br /> 支持を得られずに残念でした。もちろん『IS』はデリケートな<br /> テーマに臆することなく挑んだ意欲作であり高い評価をしています。<br /> 一般部門ではすんなりと『おおきく振りかぶって』に決まりましたが、<br /> 個人的には『新宿スワン』に心揺さぶられるものを感じました。<br /> 2度目の選考会を終えてつくづく思うのですが、ノミネートされた作品達を<br /> ふるい落とす作業の辛いこと辛いこと……ごめんなさいとしか言いようがないです。<br /> ====寺沢大介==== '''誠実な仕事を''' 各審査員によって好みもあり、それぞれ独自の審査基準に従って意見を<br /> 述べていくわけですが、僕が一番重く見るのは発行部数でも掲載雑誌でもなく、<br /> 細部に至るまで作家の目が行き届き、誠実な仕事がなされている作品で<br /> あるかどうかです。<br /> 今回の受賞作は特にそういう面で感心させられる作品が多く、<br /> 評者にとっても嬉しい結果になりました。<br /> 『天使のフライパン』は作者の少年誌時代からの丁寧な仕事ぶりが好印象。<br /> 『DEAR BOYS ACTⅡ』は前作を通じてまだ受賞していないのが不思議なほどの<br /> 完成度の高さ。『[[さよなら絶望先生]]』はとにかく細部まで詰め込まれたギャグが<br /> 秀逸な大好きな作品です。<br /> 『IS』には作者の真摯な題材の掘り下げに感銘を受け、<br /> 『おおきく振りかぶって』はこれは最早当然の受賞というべきでしょう。<br /> 残念だったのが『君に届け』。胸の熱くなる、本当に素敵な作品。来年に期待です。<br /> ====深見じゅん==== 受賞された皆様、本当におめでとうございます。<br /> 『[[さよなら絶望先生]]』の洒脱で丁寧な絵と諧謔の利いた笑い。<br /> 『DEAR BOYS ACTⅡ』の面白さ。どちらも決められず、2作ともの受賞となりました。<br /> 『君に届け』も、本当に少女らしい爽やかさがあり、迷いに迷いました。<br /> 最終選考に残った作品は、どれも上質な楽しさを読み手に与えてくれました。<br /> ハラハラして、ドキドキして、感動して、笑って。読み終えたとき<br /> 「どれが一番?」との問いは、とても辛く、答えに窮します。<br /> 個人的には『紅匂ふ』。精緻で、あでやかな祗園という世界を<br /> 味わい尽くせる名品だと思いました。<br /> ====[[福本伸行]]==== '''なるべく「ひとつ」と思いつつ……''' 今回も、多種多様な漫画に触れられ、有意義で楽しい漫画読みができた。<br /> しかし、選考となると、話は別。みな、面白く、苦しんだ。<br /> 「児童部門」『デルトラクエスト』『ケシカスくん』も面白かったが、<br /> 丁寧で温かい仕事が評価され『天使のフライパン』に決定。<br /> 「少年部門」紛糾した。『[[さよなら絶望先生]]』『ゴッドハンド輝』<br /> 『DEAR BOYS ACTⅡ』この3つで悩んだが、バスケ漫画の草分けで、<br /> 実績も申し分ない『DEAR BOYS ACTⅡ』、マガジンの新風『[[さよなら絶望先生]]』の<br /> 2作が最終的に受賞。<br /> 「少女部門」『IS』に決定。2000人に1人、男と女の間の性。<br /> そういう特別な話…のはずが、いつのまにか、全ての人間が、<br /> じつはそれぞれ個別だと、気づかせてくれる傑作。<br /> 「一般部門」『おおきく振りかぶって』に、決定。でも、『新宿スワン』も、<br /> 素晴らしい。ヤクザの怖さの描き方、秀逸。面白かった。<br /> ====藤本由香里==== 一般部門はほぼ満場一致で『おお振り』に決まった。大好きな作品で、<br /> 文句なし、順当な受賞だと思う。児童部門は『デルトラクエスト』を<br /> 推す声もあったが、「画面の安定感が抜群」と評価する声が高く<br /> 『天使のフライパン』に。『地獄少女』は決めゼリフや画面の鮮やかさは<br /> 魅力的だが、「地獄に落ちても相手を殺す」というのが道徳的にどうか……<br /> との疑問が多かった。<br /> 昨年に引き続き激戦だったのは少年部門と少女部門。<br /> 少年部門では前作から引き続いての『DEAR BOYS ACTⅡ』の人気と実績に<br /> 応えたいとする声が強い一方、『[[さよなら絶望先生]]』のセンスと勢いへの評価も高く、<br /> 作風が全く違うことからダブルの受賞となった。<br /> 難しい題材を丁寧に描いた『IS』と、少女マンガの楽しさにあふれる<br /> 『君に届け』の評価は拮抗したが、『君に届け』はまだ3巻、<br /> ということで最終的に『IS』の受賞が決まった。『君に届け』は、<br /> 来年以降に期待したい。<br /> ====森川ジョージ==== '''今年も疲れました''' レベルの高い作品が出揃い、今年も審査員一同、頭を抱える場面の多い選考会と<br /> なりました。一般部門はほぼ満場一致で、児童部門は丁寧で読み易いという理由で<br /> 受賞作が決まりましたが、少年・少女部門はもう大変でした。<br /> 審査員は奇数なのに何度多数決をとっても決まらず、<br /> 順位をつけなければならない作業の難しさを痛感しました。<br /> 審査員の顔ぶれが違えば、別の作品が受賞していたかもしれません。<br /> それほど拮抗した微妙な判定でした。KOに至らなくても名勝負はあるという典型です。<br /> 近年は画力・構成力の質が高い巧者が目立つ傾向にありますが。<br /> 難航の原因はそこにあるとも思われ、なるべく人の意見に身をまかせようと<br /> 思っている自分としては困っています。下手でも勢いでKOしてくれる作品の<br /> 登場を望みます。<br /> 受賞作には心からおめでとうと。そして、候補作全てが楽しく読めました。<br /> 今後も雑誌と業界の牽引をよろしくお願いします。<br />
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