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∀ガンダム
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===概要=== 「∀」とは「全ての~」を意味する記号であり、また「A(=最初)に戻る」という意味も込めて名付けられた。<br /> ガンダムシリーズの創生期から製作の中心的人物として関わってきた富野監督にとっては『[[機動戦士Zガンダム]]』以降の製作およびスポンサー側との齟齬、『機動戦士Vガンダム』の前後で製作母体のサンライズがメインスポンサーであるバンダイの系列子会社になった際に幹部スタッフとの間に生じた確執などで精神的に患い、深く落ち込んでいた苦境からの復帰作でもあった。<br /> Zガンダムは僕にとっての現実認識のストーリーであったんです。それから考えていったら、彼(主人公・カミーユ)はあの様になるしかなかった。 自分の限界を超えて、無理に力を得ようとカミーユがやっているわけで、限界を超えてしまっている彼に何も起こらないで済ませるわけにはいかなかった。 (TV版終了時のインタビューより) つまらない直球を投げ続けて、肩を壊したのだ。だから、見事に、「Vガンダム」でキレて病気になった。(『∀の癒し』より) 神経症の病人を拡大生産していくような作品を公共の場におくことはしてはならない。(『Zガンダム・ヒストリカ1』より) 「[[富野が製作に関与していない作品も含まれ、後作品の[[機動戦士ガンダムSEEDシリーズ>機動戦士ガンダムSEED|黒歴史]]<ref]]も黒歴史として封印されることがコミック版で示唆されているが、[[機動戦士ガンダム00]]は現実世界と地続きになっているという世界観であるため、黒歴史に含まれる可能性は非常に薄いとファンの間で言われている。一方で富野監督は「全てを経た先の超未来の世界として『∀』があるのだから、(自分以外の作り手たちも相関を)深く拘らなくてもよいのではないか」と述べている。</ref>」として封印された歴代シリーズのエッセンスが時を経て再度発掘、開放しつつ次世代を築く物語へと昇華させる構図は、富野監督がかつて絶望とともに決別したガンダムシリーズに対する肯定と再総括の投影であり、新たな輪廻的再生でもあった。そのためか、自身や自作品に対し自嘲的な言動が多い富野監督も、この作品においては素直な褒め言葉を述べている。<br /> 意外にも、富野監督の心をほぐしたのはOPテーマを歌った西城秀樹氏であったことが監督自身の回想で明かされている。 西城:監督の説明が長い。下手だ。作品のことと作詞のことを考えているのは分かったし、 直しの詞を見て前の日にマネージャー(実はガンダムファン)と一緒に練習もした。 森口博子(ZガンダムのOPテーマを担当)とは2日前に電話で1時間以上話をしてガンダムのことを訊いた。 (オファーを受けるまでガンダムを観たことがなかった西城は、劇場版『機動戦士ガンダム』を観て受諾を決めたとインタビューで述べている) だから、直しの詞の中にある助詞“を”は唄えるんだけど、それじゃ流れないんじゃないかって、マネージャーとも相談して、 今日クレームをつけようと思ったんだけど、“を”が無くなっている歌詞カードが出てきてホッとした。(中略) ターンエーの説明でも、監督の言葉遣いの下手さとから、ともかく損得考えないで、何かを作ろうとしている真面目な人なんだって 分かったから、取材のインタビューでもウソいってはダメだろうって、本当のこと言ったんですよ。 (富野)彼が、そう語りかけてきてくれたときに、ぼくは、ほんとうに息を呑んでいた。(中略) というのも、録音のときの彼は、ぼくと絶対に目を合わせようとしなかったために、ぼくは彼はこのような仕事を 嫌がっているのではないか、小林亜星(作曲担当)のヒキがあったのでやっているだけではないか、と思っていた。 が、そうではなく、彼は彼で録音に集中して、緊張していたのだ。 西城:正直すぎんですよ。善きことをいおうとしすぎて、相手かまわずぶつかっちゃうんでしょ?もう少し、ひとを信じなさいよ。 (富野)その言葉がとどめだった。彼は、彼なりに事前にリサーチして、録音すると同時に対外的な対応もしなければならないと準備してきたのだ。 だから、彼は、ぼくから『∀』のシンボライズしている意味だけを確認したかったのに、ぼくは理念から説明しようとした。(中略) で、ぼくは、スタジオ内で冷めた瞬間に、彼から舐められた気分になったと告白して、あやまった。 初体面で、これほど正確にぼくの欠点とめざしているところを言葉にしてくれたひとに出会ったことはない。 二十八年間、現役で仕事をやってきたスターはちがう。舌を巻いた。 (∀ガンダム フィルムブックvol.1より) そうした沿革から、歴代作品のオマージュを盛り込みつつも新たな要素を多く取り入れることで一線を画しており、コンセプトである「総括」と「再生」に基づいた特色を確立している。<br /> メカデザインに世界的工業デザイナーのシド・ミード、音楽に菅野よう子、OPテーマに西城秀樹、EDテーマに谷村新司<ref>遡ること18年、谷村は劇場版ガンダムの『砂の十字架』の作詞・作曲を担当しているが、諸事情で谷村の歌唱が叶わず、谷村の紹介で歌唱を担当したやしきたかじんと谷村ファンの富野監督との折り合いが良くなかった等の経緯からたかじん側ではしばらく黒歴史扱いとなっていた。本作『AURA』は谷村の作詞・作曲・歌唱による。</ref>を起用してファンの度肝を抜き、特にシド・ミードがデザインした∀ガンダムのデザインは革新的であると同時にファンの好き嫌いを大きく分かつほどのインパクトを残した。なお、この時期にはバンダイは作品製作には殆ど干渉しなくなっていたという。<br /> 展開も全面戦争ではなく調停を目的とすることで悲惨な死の描写を減らし、女王を中心とした政治劇場面を増やすことで歴代シリーズとは異なるアプローチでの包括的な世界観を構築し、主人公であるロラン・セアックも中性的な容姿と博愛的な信条を持つ穏やかな性格の少年として描くことで、歴代シリーズの戦士とは異なる生き様を貫徹した。 また、2014年には富野監督自らの手によって『∀』の遠い前日譚的エピソードにあたる『ガンダム Gのレコンギスタ』が製作されている。
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